在校生・保護者のみなさまへ/これまでの更新 2012年4・5・6・7月


更新:2012年7月5日

「保護者の声」ページがオープンしました!

パリ日本語補習校で行なわれたイベントや野外活動などについて、
保護者から寄せられた声をご紹介するページを新設しました。
今回は6月10日に行なわれた日仏家族の会主催の運動会のご報告を
掲載しております。
また、「在校生・保護者のみなさんへ」ページに掲載していた
保護者からのイベントレポートも、そちらに移動しました。
左のメニューボタン、またはこちらからご覧下さい。


「校長先生の漢字遊び教室」ご報告

6月23日に行なわれた「校長先生の漢字遊び教室」のご報告です。


第5回 漢字教室のこと

日時:6月23日(土)13:00〜14:30
参加者:小3上 3名、4年下1名の計4名 日本人会で。

中学生のクラスで廣重先生が使った問題(小学3年で学ぶ漢字の読み書き200問)をそのまま使って、15分間でどのくらい書けるか試してみました。多少の差はあったものの、3年上の3名は「難しいです。」と言いながら10問くらい。4年下の1名は流石に約50問まで。実は中学生たちも、15分ではやっと100問くらい。それも先生に意味を確かめつつでしたから、相当難しいとは思っていましたが、やはり習った漢字をすらすらと書くのは困難なようです。3年上の一人は、「けんきゅう」は書けなかったけれど、教科書のどこにあったかは、さっと開いて見せてくれましたから、記憶にはあるけれど、書ける力まではまだということでしょう。20問くらいまでの答えを順番に前に出て書かせました。他人が書いている時に「それは筆順が違う」と指摘する人が、自分が書く時には正しい筆順ではなかったり、筆順はむつかしいもの。やすい、くらいの反対の字は?に答えられても、育、意、転をつかった熟語は?には、頭をひねります。一つの漢字から他の言葉を思い出すのは難しいようです。漢字を覚えることは、言葉(熟語)を覚えることだということを教えたつもりでした。この200問の残りは、自主宿題としました。さあ、どれだけやってくれたでしょうか。
我が家にあった古いカセットテープの「日本の民話集」から、青森地方の民話「うぐいすの里」を聴かせたあと、この話から何を学ぶのかを聞いてみました。ウグイスの頼みを守ったお爺さんと、守らなかったお爺さんの違いが、なぜそんなに大きいのか理解に苦しむ人がいました。日本のやや押し付け的な教訓めいた話に、馴染めないのでしょうか。この素直な反応には考えさせられました。あと、まだ漢字クイズなどやろうと思っていたのに、90分はすぐに経過してしまいました。第1回目のときの「翼よいつまでも」(川上健一)の話のことをいまでもよく口にする女の子がいます。よほど面白かったのでしょう。記憶に残る話をテキストに使うことが大事なんだなと痛感しています。

補習校校長 浦田良一


校長先生のひとことコラム

「こんにちは」って、すぐに言えますか。

私の友人で40年くらいイギリスに住んでいる男から聞いた話を紹介します。
彼は、社内有数の英語の達人で、イギリスでの会社設立の準備のため、ロンドンで単身生活を始めた頃、通勤に地下鉄を利用していて、毎朝、最寄りの駅で「xxx プリーズ」と言って切符を買っていた。 窓口にはいつも同じ中年の男がいた。
2週間くらいたったある日、彼に「お前さん、どうしてGood Morningと言わないんだよ」と、さりげなく言われたときに、毎日、かなり憂鬱な仕事に追われていて、笑顔も忘れていたし、駅員に対する配慮など全くなかったことに気が付き愕然とした。
その翌日、 “Good Morning,xxx please” と言ったら、彼が満面に笑みをたたえて“Good morning. Have a nice day” と返して来て、実にいい気持になり、それ以来絶えずなにか言葉を交わすようになった。考えてみれば、それからの仕事はスムースに運んだような気がするな、と話してくれたことがある。英語が出来る男だったから、この簡単な言葉の持つ意味をうまく教えてくれたと、いまでも折に触れて思い出すのです。
私にもパリで、似たような経験があります。日本からの友達が大勢来た時、一夕全員での食事会の予約を取ろうとして近くの大きな大衆的なレストランに出かけた。お昼前で従業員たち、7,8名がそろって食事をしていた。「週末の予約をしたいのですが・・・」と言ったら、その中のチーフらしき人物が、立ちあがって“Bonjour・・・”と言います。こちらは、もう一度、予約をとりたいのですが・・・と繰り返す、彼は、さらに Bonjour・・・と言って、こちらの顔をじっと見ている、あっそうだ。Bonjourと言っていないことに気が付いて、Bonjour Monsieur・・・と言って、予約をして店を出てから、しばらくして、このレストランのカードをもらっていなかったので引き返した。改めて顔を出したら、食事中の彼らが、一斉に振り返り、何だろうかという顔をしている、今度は初めから”Rebonjour“と、かなり大きな声で言ったら、皆がどっと笑った。その時のお互いの気持ちを今でもときどき思い出します。知人だと、さらっと交わす言葉を第三者に対しても同じように用いているだろうか。電話での応対の丁寧な人、そうでない人。自分は丁寧でないくせに、他人の態度には批判的な人も大勢います。私もこの分類に入る一人なので、自戒を込めてこの文を書いてみました。補習校の教室では、授業の前後に生徒たちにきっちり挨拶をさせています。堅苦しく思わないで、日常生活の大事な躾けの一つだと考えて欲しいと思っています。ところで、しつけという漢字は絶妙ですね。

補習校校長 浦田良一





更新:2012年6月10日

校長先生のひとことコラム

ときどき、好きな時間帯にふらりと授業をのぞきに行きます。
ある土曜日、低学年のクラスでこんな光景に出会いました。授業があと、10分くらいで終わろうかと言う時に、前列のA君が「先生、ボク喉が渇いて大変です。水を飲みに行っていいですか」と言ったら、隣のB君が「この水を飲む?」とペットボトルを差し出しました。先生は「自分が口を付けたものを他の人に渡してはいけません。」とB君をたしなめながら、A君に向かって、「あと、10分くらい辛抱できないの?本当に死にそうなくらいなら別だけれど・・・」と言ったら、A君はとっさに「先生、ボク本当にそのときなんです」と。後列で聞いていた私は思わず吹き出しました。先生もお腹をかかえて大笑い。
幼い子供のジョークというのか、先生に甘えているというのか、けろっとして返す表現の面白さに驚きました。

補習校校長 浦田良一





更新:2012年5月5日

「校長先生の漢字遊び教室」ご報告

4月20日に行なわれた「校長先生の漢字遊び教室」のご報告です。
(日本人会ホームページより転載しています)


第4回 漢字教室を終えて

出席予定者が3名だったので、前回同様1クラスに変更していたが前日に1名の追加があり4名となりました。この日は3人のお母さんが来られていたので、「よかったら親子合同の教室にしましょう。」と誘ったのですが、お一人だけの参加でした。あとの3名の子供たちは、すでに1回、2回の参加経験ありなので、お母さんも安心されていたのでしょう。
最初の、ひらがなだけの文章に知っているだけの漢字を書かせる問題は、「チョコレート戦争」(大石真)の冒頭の500字を使いました。答案、騒がしい、成績…がすんなり書けませんでした。次に、3年生までに習っている漢字表から、各人好きな3文字を選ばせ、ボードに書かせ、この12文字の中から、熟語を作ってくださいという問題は、以前にも試みたことあるので、「あっあれですか」と、知っている子は、要領よく熟語となる文字を並べてみたのですが、さらに、別の熟語を作ることまでは考えていなくて、次々と出てきません。
適当に文字を入れ替えて、易しくするのですが、数多く作ることはできません。そういう間に、「落下」ができました。私が「下落」を加えました。この意味は辞書で引かせました。
熟語の中には、上下を並べ替えると、すこし異なる意味となるものも多いのだよと説明しました。もっとたくさんの例をあげてみたいので、これは次回までの私の宿題としました。
第3回の時に準備していたのに、時間が足らなくなりとりあげなかった十二支を時計の針の様に並べて書いて、時刻、方角を示しているのだよと言いながら、「午」の前と後ろで午前、午後と言うことを教えました。丑寅、辰巳の方角のことも。 この日の4人は卯(1999年)、辰(2000)、巳(2001)、午(2002)と並んでいました。
それぞれの動物に因んだ言いまわし、たとえ、ことわざなど、自分の干支について調べてください。宿題とします。…というところで、時間切れ。「今日は、これで終わりにします。またこの次に。」というと、可愛いこどもたちから、「有難うございます。」との応答がありました。私はこのあとの約束の時間が迫っていたので、お母さんたちへの挨拶もそこそこに、日本人会を飛び出てしまいました。失礼しました。

補習校校長 浦田良一


校長先生のひとことコラム

宿題ってな〜に

 皆さん方どなたも、週1回75分の授業だけで、日本語の、読み,書き、話す能力を十分に伸ばすことには限度があることはご理解されていると思います。先生たちは、習ったことはずっかり身に付けたかどうかを確かめるために、宿題を出しています。少し時間を割いて、きっちりと復習して欲しいとの気持ちからです。その宿題を忘れてくる子供がいます。先生たちがどんなに悲しい気持ちになるか考えて見られたことがありますか。しかし、先生たちには、宿題をきちんとして来る子供と、よく忘れる子供との違いには、子供たちの能力差だけではないものが見えています。補習校に行く前夜に「宿題はしたの?」と聞いてあげていますか。「とっくにしたよ」と言われても、「ちょっと見せてごらん。」とチェックされていますか?「あっ。まだしていなかった。」と慌てる子供には、「今、すぐにやりなさい。」と厳しくお尻を叩いておられますか。そう、宿題は子供たちに出しているだけでなく、保護者の皆さんがどれだけ目を光らせておられるかをもチェックしているのですよ。

 子供たちにとっても、親から聞かれるということは、励みにもなり、難しいことを尋ねる習慣にもつながっていくものです。いちいち手取り足取り教えなくても、「辞書を引いて調べてごらん。」との一言でも教育効果が上がるものです。子供の質問内容から、今どのレベルにいるのかもお分かり頂けるはずです。たとえば、台所で仕事をしながらでも、「宿題が簡単だったのなら、聞いてあげるから、ここを読んでごらん」と日本語の新聞や雑誌を与えて見てください。楽しく学べる習慣が身に付けば、教室での理解力がさらに深まるのだと思っています。

補習校校長 浦田良一



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